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2020年1月ニューヨーク公演 マシュー・ボーン新演出版「白鳥の湖」鑑賞記

 2020年1月 ニューヨーク公演 ニューヨークシティセンター

2020年1月30日、マシュー・ボーン新演出版「白鳥の湖」ニューヨーク公演を観に行きました。ニューヨークシティセンターは、アルビン・エイリーの公演もよく行われており、ダンス系の公演が多いですね。ハコの広さも程良くて見やすく、好きな劇場です。

 

席はバルコニー(天井に近い安い席)。ってか、バルコニーと1階の立ち見席しか見たことがないかもね。でもいいの。結構見られるもん。

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パンフ&チケット

 どの白鳥を選んだか

白鳥は3人(3羽?)いるのですが、悩んだ上、消去法でマシュー・ボールにしました。

chottodakeny.hatenablog.com

 マシュー・ボール

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マシュー・ボール

モデルもやっている、ロイヤルバレエのプリンシパル。アダム・クーパーとは違うタイプですが、美形ですね。どんな白鳥/ザ・ストレンジャーを見せてくれるんでしょうか。

 

2020年1月30日 ニューヨークシティセンター  初日

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ニューヨークシティセンター

夜8時からの公演です。観客の年齢層は結構高め。アダム・クーパー時代も見ていそう。羨ましいな。

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バルコニーへ行く途中の通路

天井に近いバルコニー席右側は、こんなところを通って席にたどり着きます。間違えたかと思って、一度引き返したら、係りの人に「そこそこ、そこをまっすぐ」と言われましたよ。

 

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スワンレイク用のプロジェクターの箱なんかもあったんで、記念に撮ってみました。

バルコニー席から見た眺め   

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ニューヨークシティセンター

バルコニー席でも、前から2番目なので、そんなに悪くないですよ。結構見えます。 

 

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ニューヨークシティセンター バルコニー席から

ま、天井にも近いです(苦笑)。

 個人的に良かったなと思ったのはこの二人

プリンス役 James Lovell

new-adventures.net

 

プリンス役James Lovellが可愛かったなあ。若くて、小柄ですが、元気一杯。全身で役を表現しており、好感度高し。天井近くのバルコニー席まで、彼の想いが伝わりました。私が動画で見たScott Amblerがサイコ入った年齢高めなプリンスだったのに対し、James Lovellは初々しくて健康的なプリンス。悩んでる感じには見えなかったですけど(笑)、おどろおどろしくなくて良かったです。

James Lovellはしっかりバレエをやっている人なので、白鳥に見劣りしなかったですね。その辺もダンス面が弱かったScott Amblerとは対照的。彼は多分20歳くらいで、入団してすぐプリンス役を貰ったよう。この先、白鳥もいけると思いますね。

 

new-adventures.net

 初代プリンス(オリジナル・キャスト)で、振り付けもされたScott Amblerは、2018年に逝去されています。

ガールフレンド役 Freya Field

new-adventures.net

 

ガールフレンド役が、とてもチャーミング。うるさくない可愛さで、目立ちました。こんな気の良いガールフレンドと結婚したら、プリンスが幸せになれそうな気がしましたよ。 

 

白鳥というよりは、鷲か鷹

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https://www.nycitycenter.org

アダム・クーパーと比較してはいけないと心に言い聞かせておりました。。。

初めにマシュー・ボールが、プリンスのベッドに背後霊のように出てきた時(バルコニー席なので、上部は見えなかったけど。泣)、すごく迫力があったので、「あら、これはもしかしていけるのかも?」

さすが、ロイヤルのプリンシパルだけあって、踊りは安心して見ていられますね。

彼はガタイが良く、アダム・クーパーのように線が細くはないので、見ていて、「白鳥というより、鷲(ワシ)か鷹(タカ)?」。 綺麗な白鳥というよりは、マッチョな白鳥って感じ。

動画で見たオリジナル版と違う点

今回はオリジナル版と比べて、全体的に野性的かつ男性的な部分を強調しているように見えました。白鳥の群舞が、モダンのグループでよくある「ハッ」という息継ぎとも掛け声とも聞こえるのを多く入れていて、カンフーみたいだなあって違和感。個人的にはちょっと苦手。野性的な感じを強調したいのかな。

オリジナルは滑らかな動きで第二幕はバレエに近いモダンでしたが、新演出版はモダン色が強い感じ。センターの白鳥を誰が踊るかによってイメージも変わるので、振り付けや演出は時々で変わるのでしょうね。

 

オリジナル・キャストのアダム・クーパーやScott Amblerは振り付けも参加し、一から作品を作り上げたので、彼らのためのオーダーメイドの「白鳥の湖」でした。彼らが踊ることがなくなった今、形を変えて引き継いでいくのでしょう。

 

ニューヨークではどう批評されているか

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舞台終了後

舞台は思ったより、あっという間に終わりました。動画では飛ばしていた第一幕や第三幕のザ・ストレンジャーが出る前なども、退屈することなく見られました。

私が主役に感じたことを書く前に、ニューヨークでは今回の公演をどのように批評しているのか気になりました。

2週間のニューヨーク公演で、マシュー・ボールは初日から3日間だけの出演。批評を調べると、私と同じ初日(2020年1月30日)を見ている批評家が多かったです。

私と同様に、心を打たれるプリンス役のフレッシュさ、ガールフレンドの好演を挙げている人が多く、マシュー・ボールおよび白鳥の群舞については、"Masculine(男性的な)"という批評が多く見られました。

レビューは5つ星が多く、総じて高評価でした。

 

2020年ニューヨーク公演 白鳥の出演スケジュール

The Swan/The Stranger   
Matthew Ball (Jan 30, 31; Feb 1 eve)   
Max Westwell (Feb 1 mat, 2 eve, 5, 7, 8 eve)  
Will Bozier (Feb 2 mat, 4, 6, 8 mat, 9 mat)  

Matthew Bourne’s Swan Lake | New York City Center

 

個人的な感想を、正直に言いますと

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舞台終了後

私も "Masculine(男性的な)"な「白鳥の湖」だなあという感想。構成は面白く、群舞のダンサーの質は高く、見ごたえがありました。動画版では鼻に付く王妃を含め、プリンス、ガールフレンドのクセ(個性)は弱まった感じ。群舞のセンターで踊るリードダンサーが上手。主役が怪我などのアクシデントで踊れない場合は(3羽いるけど)、彼が代役を務めるのかなと思いながら観ておりました。

 

しかしながら、皆さんが絶賛する、マシュー・ボールが個人的にはイマイチ好みでありません。テクニックは上手と思うのですが、下記が苦手です。彼のファンの方、ごめんなさい。

続きを読む

2020年1月ニューヨーク公演 マシュー・ボーン版「白鳥の湖」で、どの主役を見るべき?

2020年1月 ニューヨーク公演 伝説が再び?

 

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(C) photo by Johan Persson 提供:ホリプロ

2020年1月ニューヨークの地下鉄構内で、マシュー・ボーン新演出版「白鳥の湖」ニューヨーク公演のポスターを発見。「チケットは35ドルから!」のキャッチに引っかかり、久しぶりにダンスも見たいなあと行くことを決めました。2020年1月30日から2週間の公演です。

日本では、ニューヨークより先に、2019年7月に公演したようですね。

三人の白鳥は誰がベスト?

マシュー・ボーン版の「白鳥の湖」は、オリジナルキャストのアダム・クーパーが、初演では世にセンセーションを起こしました。1/4世紀前のことであり、今回は彼は踊りません。

チケットを買う前に、「どんな内容?」とオリジナル・キャストの動画をチェックしたら、アダム・クーパーがあまりにも素晴らしくて呆然。「彼を見られないのだから、過去の動画は見ない方が良かったかも」と、ちょっと後悔。

今回の公演は、新演出版で振り付けも変わっているそうですし、もちろんダンサーも違います。ベストオブベストのアダム・クーパーのレベルを望むのはもちろん無理。

さーて、誰が踊る日を観に行こうか。

個性の違う白鳥


マシュー・ボーンの『白鳥の湖~スワン・レイク~』座談会

 

主役の三人は、アダム・クーパーの白鳥/ザ・ストレンジャーに憧れて、ダンサーになったそう。そのうち二人はマシュー・ボーン主催"New Adventures"のダンサーで、一人はロイヤルバレエ団のプリンシパル。チケットを売るためには、やはり自前ダンサーだけではなく、アイドルを借りてくる必要があるようです。

●マックス・ウェストウェル

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マックス・ウェストウェル

マシュー・ボーン主催"New Adventures"のダンサーの一人。イングリッシュ・ナショナル・バレエのソリスト出身。

new-adventures.net

ウィル・ボジアー

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ウィル・ボジアー

マシュー・ボーン主催"New Adventures"のダンサーの一人。ミュージカル出身で、演技は得意。 

 

new-adventures.net

 

マシュー・ボール

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マシュー・ボール

ロイヤルバレエのプリンシパル。モデルもやっているようです。 6歳からバレエを始め、マシュー・ボーン版「白鳥の湖」を8歳頃見て、真剣にダンスに目指したそう。その時に購入したTシャツをまだ持っているとか。

 

www.roh.org.uk

 

www.supamodelmanagement.com

とりあえずこの人に 

 日本公演で見ている人がいるはずなので、評判がどうだったかググってみるも、公演の詳細批評を書いている人が見つからず。「素晴らしかった」とか「感激」だけでは、参考にならないもんねえ。

3人のダンサーを比較した中で、失礼ながら、

●主役の白鳥で、坊主頭はちょっとね。ガタイが良すぎるのも厳しいかな。

●演技派は良いけれど、オーバーアクションだとどうかな。

●クラシックではなくても、主役がテクニックがないと見られないかも。

とう消去方式で、どの主役の日に行くか決めました。 

次回は、公演の感想を。

   

マシュー・ボーン新演出版「白鳥の湖」公演関係の動画


Meet the Swans


Choreographer Matthew Bourne on Tchaikovsky's Swan Lake 


Matthew Bourne’s Swan Lake returns to New York City Center

 

 

 

 

【ゾクゾクてんこ盛り7】ラストはオカルト入っているかも? アダム・クーパー "白鳥の湖〜Swan Lake〜"

一家に一人欲しいアダム・クーパー 

アダム・クーパーが、マシュー・ボーンの「白鳥の湖」で、世にセンセーションを起こしたのは、四分の一世紀も前の話。

その頃からのファンもたくさんいることと思いますが、私がファンになったのは、2020年1月に動画で見てから。つまり、アダム・クーパー歴1ヶ月に満たない新参者ですが、「アダム・クーパーと結婚したい」と思うほど、一気にのめりこみました。御歳48歳のアダム・クーパーではなく、白鳥当時の24-25歳の時が良いんだけど。

 「白鳥の湖」の舞台および動画(DVD、Youtube)を見た人は、全員そう思ったでしょう。一家に一人、アダム・クーパーがいればねえ。人生が楽しくなることでしょう。

 

記事は自分の覚書で書きたいので、ネタバレを気にしないあなただけ見てください。

ひたすら、私が感じたアダム・クーパーの魅力について書いておきたいと思います。

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Capture:Matthew Bourne΄s Swan Lake, 1996 - Pyotr Ilyich Tchaikovsky - Adam Cooper, Scott Ambler (HD 1080p)

 

ゾクゾクしたその7


ベッドの下から這い出る白鳥たち

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Capture:Matthew Bourne΄s Swan Lake, 1996 - Pyotr Ilyich Tchaikovsky - Adam Cooper, Scott Ambler (HD 1080p)

ベッドの下から、這い出てくる白鳥たち。面白すぎて、ビックリしました。背筋のあるダンサー推奨。

枕の山から片手が登場 まさかの・・

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Capture:Matthew Bourne΄s Swan Lake, 1996 - Pyotr Ilyich Tchaikovsky - Adam Cooper, Scott Ambler (HD 1080p)

 最後の第4幕で、ベッドの上の枕の山から、いきなり片手がズボッと出てきて、ビックリ。まるで、井戸から出てくる「リング」の貞子。いったい、何が?!

枕の山から、アダム・クーパー様登場

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Capture:Matthew Bourne΄s Swan Lake, 1996 - Pyotr Ilyich Tchaikovsky - Adam Cooper, Scott Ambler (HD 1080p)

ベッドの枕の山から登場したのは、オーマイガー、まさかの白鳥(オデット)アダム・クーパー様。あまりといえば、あまりの登場の仕方(苦笑)。シメで、いきなりオカルトにならないで(泣)。

アダム・クーパーの出番が終わると悲しい

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Capture:Matthew Bourne΄s Swan Lake, 1996 - Pyotr Ilyich Tchaikovsky - Adam Cooper, Scott Ambler (HD 1080p)

マシュー・ボーンファンの皆様には申し訳ないのですが、私はアダム・クーパーだけが見たいので、本筋に関係なく、彼が出ない第一幕はほぼすっ飛ばして見ました。クラシックバレエでも、舞踏会のキャラクターダンスとか苦手なんです。すみません。

ラストは、正直「うーん、こういうオチもありかもね」って感じでしたね。第三幕までかなり作りこんでいたので、「あら、そうなの」って、個人的にはあんまりピンときませんでした。

何より、もうアダム・クーパーの出番は終わってしまったのね〜、ってガッカリ。

あらすじの解釈はひとそれぞれ

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Capture:Matthew Bourne΄s Swan Lake, 1996 - Pyotr Ilyich Tchaikovsky - Adam Cooper, Scott Ambler (HD 1080p)

あらすじの説明をしていないので、マシュー・ボーン版「白鳥の湖」を見ていないあなたには分かりにくいかもしれませんね。あらすじは、見た人それぞれ解釈が異なると思います。なので、あえて書きませんでした。他のブログを見ても、各々理解が異なるようです。現在上演されているものは、振り付けを含め改定されているので、この当時(1996年)とは異なります。

 マシュー・ボーンとアダム・クーパーは、白鳥は現実の存在ではなく、王子の想像(イメージ)の産物だと語っています。私も同感。「白鳥」は、王子の求める「美」や「愛」の理想形なのかもしれません。

何度か見て、こんなのもアリかなと思いました(私の解釈のひとつ)。

王子(オープニングシーンの子供)は、実は意識がなく眠り続けて、長い夢を見ています。毒殺の歴史がある某国王妃である母親に、再婚の邪魔になるため、毒を盛られた等の理由が考えられるかもしれません。成長した王子は、こんな大人になったらどうしようと恐れている悪夢。白鳥は「死」を意味をし、ザ・ストレンジャーは目を向けたくない「現実(生)」。最終的に王子は大人になることを望まず、美しい白鳥に抱かれることを選択したのかなと。他にも、いろんな解釈ができそうです。

アダム・クーパー主演のマシュー・ボーン版白鳥の湖が全幕見られます


Matthew Bourne΄s Swan Lake, 1996 - Pyotr Ilyich Tchaikovsky - Adam Cooper, Scott Ambler (HD 1080p)

 

どんなあらすじなのか気になるあなたは、何度も貼っていますが、全幕版をどうぞ。自分なりのイメージで解釈するのも、セリフのないダンスやバレエの醍醐味のひとつですよね。 

2020年1月30日から、ニューヨークのNew York City Centerで、Matthew Bourne΄s Swan Lake上演されており、初日を見に行ってきました(ニューヨーク在住)。そちらについては、後日。

 

【ゾクゾクてんこ盛り6】黒鳥の32回転やいかに アダム・クーパー "白鳥の湖〜Swan Lake〜"

演出家のマシュー・ボーンはゲイなのか

アダム・クーパーが白鳥およびザ・ストレンジャーを踊る、マシュー・ボーン版「白鳥の湖」。白鳥がすべて男性というアイディアを思いついた、マシュー・ボーンとはどんな人なのでしょうか。

演出家のマシュー・ボーンは、スーパーモデルと結婚している

調べてみたところ、マシュー・ボーンはゲイと公表しており、過去に振付師兼ダンサーとパートナー関係にあったようです。ただし、両親が亡くなった後、「自分の周りには、何もない」と感じ、元スーパーモデルのクラウディア・シファーと2002年に結婚し家庭を持ちました。3人の子供がいます。

 

記事は自分の覚書で書きたいので、ネタバレを気にしないあなただけ見てください。

ひたすら、私が感じたアダム・クーパーの魅力について書いておきたいと思います。

ゾクゾクしたその6

右側から映した顔が好き

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Capture:Matthew Bourne΄s Swan Lake, 1996 - Pyotr Ilyich Tchaikovsky - Adam Cooper, Scott Ambler (HD 1080p)

 

アダム・クーパーはとてもハンサムなのですが、特に右側から映した顔が綺麗です。口元にホクロがあるのも素敵。左側から映した顔は、可愛い感じ。

余裕のよっちゃんで寛ぐザ・ストレンジャー

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Capture:Matthew Bourne΄s Swan Lake, 1996 - Pyotr Ilyich Tchaikovsky - Adam Cooper, Scott Ambler (HD 1080p)

第三幕で、ザ・ストレンジャーに煽られた女性たちはすっかりイイ気分になっています。このあたり、第三幕では女性のイヤな面が描かれており、この時、マシュー・ボーンは女性が嫌いなのかなあと思いました。シンデレラの継母並みに、王子に冷たい王妃でしたしね。

ザ・ストレンジャーは、余裕で寛いでいます。

 マシュー・ボーン版の黒鳥の踊り

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Capture:Matthew Bourne΄s Swan Lake, 1996 - Pyotr Ilyich Tchaikovsky - Adam Cooper, Scott Ambler (HD 1080p)

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Capture:Matthew Bourne΄s Swan Lake, 1996 - Pyotr Ilyich Tchaikovsky - Adam Cooper, Scott Ambler (HD 1080p)

黒鳥の32回転にあたる群舞は、動画の1:34:43頃から始まります。

黒鳥と王子の踊りが、群舞およびザ・ストレンジャーと王妃の踊りになりました。キレがあり、かなりイカしてます。群舞にするとは、考えたなあって感じ。アダム・クーパー得意のタップ(ダンスはタップから入ったそう)や、ジャズの動きなども入っており、音の取り方を見ていると、クラシックより、タップやジャズなどのモダンなダンスが向いていることが分かります。アダム・クーパーは楽しそうに踊っており、好きな場面のひとつです。

フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースを再現したテーブルダンス

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Capture:Matthew Bourne΄s Swan Lake, 1996 - Pyotr Ilyich Tchaikovsky - Adam Cooper, Scott Ambler (HD 1080p)

 

黒鳥(ザ・ストレンジャー)のダンスの最後の見どころ、テーブルにかけた足の上に、リフトした王妃を持ち上げて越えるテクニック。カッコイイけど、4テーブルもあったので、これ危ないかもと心配になりました。タイミングが合わないと怪我に繋がります。舞台の終盤に、毎回やるのは大変そう。二人とも緊張してやっているように見えました。フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースの踊りを再現したのは、アダム・クーパーのアイディア。

 英国王室をパロったらしい

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Capture:Matthew Bourne΄s Swan Lake, 1996 - Pyotr Ilyich Tchaikovsky - Adam Cooper, Scott Ambler (HD 1080p)

 演出のマシュー・ボーンによると、英国王室(ロイヤルファミリー)をパロっているそうです。王子(C王子に似てるかもね)、お金で頼まれたガールフレンド(離婚済みS・ファーガソン)、てことは、王妃は???

 


Matthew Bourne΄s Swan Lake, 1996 - Pyotr Ilyich Tchaikovsky - Adam Cooper, Scott Ambler (HD 1080p)

 

【ゾクゾクてんこ盛り5】そこまで追い詰めるのか、ザ・ストレンジャー アダム・クーパー "白鳥の湖〜Swan Lake〜"

白鳥の湖における黒鳥(オディール)の存在

「白鳥の湖」の人気キャラクターといえば、やはり黒鳥(オディール) じゃないでしょうか。悪役がいなくては、物語の起承転結が膨らみませんしね。

 

野性の白鳥の魅力を見せてくれたアダム・クーパー、黒鳥(オディール)はどんなことになるんでしょうか。あの32回転は、どう落とし前(?)をつけるのかも楽しみですよね。

 

 記事は自分の覚書で書きたいので、ネタバレを気にしないあなただけ見てください。

ひたすら、私が感じたアダム・クーパーの魅力について書いておきたいと思います。

 

ゾクゾクしたその5

The Stranger(ザ・ストレンジャー)とは

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Capture:Matthew Bourne΄s Swan Lake, 1996 - Pyotr Ilyich Tchaikovsky - Adam Cooper, Scott Ambler (HD 1080p)

黒鳥(オディール)は、マシュー・ボーン版では、"The Stranger(ザ・ストレンジャー)"となります。うまいネーミングですね。

見知らぬ人、他人の他に、よそ者、流れ者、変わった人、ミステリアスな人などの意味もあります。

登場の仕方が素晴らしい

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Capture:Matthew Bourne΄s Swan Lake, 1996 - Pyotr Ilyich Tchaikovsky - Adam Cooper, Scott Ambler (HD 1080p)

まず、登場の仕方にゾクゾクしました。

ガムを噛みながら、バルコニーの手すりを綱渡りのようにフラフラ歩いて登場。ハナから、ナメタ態度です。ジロリとバルコニーの手すりから、人々を見下ろす不遜さ。コイツ、トラブル起こすだろう感満載。

アンタなんか知らないよ

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Capture:Matthew Bourne΄s Swan Lake, 1996 - Pyotr Ilyich Tchaikovsky - Adam Cooper, Scott Ambler (HD 1080p)

ザ・ストレンジャー登場に、ビックリ仰天の王子。公園の池にいるはずの白鳥が、なぜここに?しかも、見知らぬ相手を見るようなよそよそしい目つき。まあ、だからザ・ストレンジャーって名前なんですよね。 

私が初めにザ・ストレンジャーを見て思ったのは、「おお、白塗りしてない」。白鳥は、顔を含め全身白いドーランを塗りまくり。全身のドーランは皮膚呼吸できなくて、さぞや暑かっただろうと思いましたよ。白鳥の時、ジャンプの連続で体力消耗する振り付けのせいもあるけれど、大量の汗をかいていたもの。 

人を煽り、操るザ・ストレンジャー

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Capture:Matthew Bourne΄s Swan Lake, 1996 - Pyotr Ilyich Tchaikovsky - Adam Cooper, Scott Ambler (HD 1080p)

ザ・ストレンジャーは、パーティ会場の雰囲気を乱し、支配し、その場の女性全員を煽りまくります。 

支配、陰謀、策略、そして陥落。女性をペロペロ舐めるのは、ちょっとやり過ぎでいただけませんが、人を恐れる白鳥と、人を操る黒鳥(ザ・ストレンジャー)の対比をはっきりさせたいんでしょうね。白鳥の羽パンツに対して、ザ・ストレンジャーの黒の革パンツも素敵。羽パンツでは分かりにくかったけど、革パンツならヒップの形も完璧だと分かります(言っちゃった、きゃっ)。

王子と踊るタンゴ

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Capture:Matthew Bourne΄s Swan Lake, 1996 - Pyotr Ilyich Tchaikovsky - Adam Cooper, Scott Ambler (HD 1080p)

女性たちを煽り、相手を次々と変えて踊りまくる、ザ・ストレンジャー。王子は焦(じ)らされ、指を咥(くわ)えて見ていましたが、ついに彼の番が来ましたよ。

月も隠れた暗闇で踊るタンゴは、心理的な緊迫感もあり、生々しいです。男同士のダンスゆえ、パワフル。ここが黒鳥のパドドゥにあたり、見どころです。

徹底的に痛めつけるザ・ストレンジャー

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Capture:Matthew Bourne΄s Swan Lake, 1996 - Pyotr Ilyich Tchaikovsky - Adam Cooper, Scott Ambler (HD 1080p)

 

王子の心の拠り所、心の奥に大切にしまってある白鳥。似て非なるザ・ストレンジャーは、黒鳥の誘惑よりも、徹底的に暴力的。王子を精神的に、とことん追い詰める凶暴さがあります。  

タバコの灰を額に擦り付け、「アンタが好きなのは、コイツだろ」と貶めます。額のメイクはもちろん、白鳥を意味します。額に灰を擦り付けるアイディアは、アダム・クーパー本人のアイディアらしいです。

ドラキュラに似ている

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Capture:Matthew Bourne΄s Swan Lake, 1996 - Pyotr Ilyich Tchaikovsky - Adam Cooper, Scott Ambler (HD 1080p)

 アダム・クーパーが、バレエ界のセクシー・アイコンと呼ばれたのは、暴力的なまでにセクシーなザ・ストレンジャーに、多くの男女が完全ノックアウトされたからです。

個人的にザ・ストレンジャーが一番好きなところは、ニヤッと笑った時に、歯が尖って見えること(単にライティングの所為かも?)。ドラキュラ好きな私としては、悪役はやっぱり歯が尖ってないと!とゾクゾク。

 

 白鳥とまったく違う魅力を見せた、アダム・クーパー凄いです。この世のものとは思えない儚い白鳥と、俗世間的なザ・ストレンジャー。さて、あなたはどちらがお好きでしょうか。

  

 


Adam Cooper- Mathew Bourne's Swan lake

 


Tchaikovsky SWAN LAKE 1996 Matthew Bourne

【ゾクゾクてんこ盛り4】愛を訴える白鳥のソロ アダム・クーパー "白鳥の湖〜Swan Lake〜"

 最も好きな白鳥(オデット)のソロ

マシュー・ボーン版の"白鳥の湖〜Swan Lake〜" は、アダム・クーパーが出ているところはすべて好きなのですが、特に好きなのは、白鳥(オデット)のソロ。

 

古典のオデットは、美しいお姫様が姿を変えられた我が身を嘆くヒロインなので、自己憐憫の世界に浸ってる感が強く、それがちょっと苦手。

 

 記事は自分の覚書で書きたいので、ネタバレを気にしないあなただけ見てください。

ひたすら、私が感じたアダム・クーパーの魅力について書いておきたいと思います。

ゾクゾクしたその4

本気になったら、トコトン愛しちゃう白鳥

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Capture:solo Adam Cooper _ Matthew Bourne's Swan Lake

 

アダム・クーパーは、全身で愛を訴える白鳥。

我が身が白鳥であろうと、姫であろうと、王子であろうと、身分なんか関係ない。

あなたの愛が真実だというのなら、こちらも本気で応えましょう。

あなたのように愛を求めていたのは、こちらも同じ。

 

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Capture:solo Adam Cooper _ Matthew Bourne's Swan Lake

美しい筋肉質の白鳥が、

心を開き、全身で愛を訴えます。

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Capture:solo Adam Cooper _ Matthew Bourne's Swan Lake

あなたの心に嘘偽りがないのなら、どうかありのままの私を愛して。

 

かつて白鳥のソロに、これほど心を動かされたことはありません。

月明かりの下、情感たっぷりに踊る姿に、ゾクゾク。

彼の表情もムーブメントも、ひたすら美しい。必見です。

 

この情感の表現、プリマで見たことがないっていうのは、男性の方が繊細ってことなのかしらね。(勝手な好み&私見です。)

 


solo Adam Cooper _ Matthew Bourne's Swan Lake

【ゾクゾクてんこ盛り3】絵空事でない白鳥 アダム・クーパー "白鳥の湖〜Swan Lake〜"

 マシュー・ボーン版「白鳥の湖」はゲイのバレエなのか

1995年に登場した、男性だけの白鳥が踊るマシュー・ボーン版「白鳥の湖」

王子も、オデット(白鳥)も、オディール(黒鳥)も全員男性。宝塚の反対ね。

現在はジェンダーフリー(性別に問われない)の時代に変わりつつあるけれど、1995年はまだ今よりも保守的だったと思う。

 

男性同士でパドドゥを踊る、

男だけのバレエというと、

おカマのバレエとか、ゲイのバレエという偏見を持った人が多かったでしょう。

 

ニューヨークの某有名紙で「ゲイのファンタジー」と批評されているのも見ましたが、私見では、ゲイのバレエとも、男性同士の恋愛とも思わなかったな。

 

王子が孤独すぎて(精神的にも病んでいる)、

白鳥(オデット)が美しすぎて、

ジェンダー(性別)云々の話じゃないと。

 

古典の「白鳥の湖」が綺麗ではあるけれど、あまりにも現実離れして、絵空事に感じるのに対し、マシュー・ボーン版はリアルな感情が伴ったバレエと感じました。

 

記事は自分の覚書で書きたいので、ネタバレ気にしないあなただけ見てください。

ひたすら、私が感じたアダム・クーパーの魅力について書いておきたいと思います。

ゾクゾクしたその3

後ずさりで登場して、振り向いて見る

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Capture:Swan Lake - Pas De Deux (Cooper & Ambler)

王子とのパドドゥ。後ずさりで出てくる白鳥(オデット)が振り向いて、王子を見る視線にゾクゾク。

 

汗でメイクは崩れつつありますが、このヘアとメイク、羽パンツの衣装はセンス抜群。ヘアメイクと衣装考えた人は凄い。

 

20世紀バレエ団のベジャールが「バレエの短いチュチュこそ、非機能的で醜く、下品」と嫌ったそうですが、そういわれれば、この羽パンツは、ダンサーの身体を綺麗に見せる上、ファッショナブル。ただし、上半身が綺麗な筋肉質で、ウエストが締まった逆三角形に近いボディが必要。

 

白鳥のアームスの美しさ

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Capture:Swan Lake - Pas De Deux (Cooper & Ambler)

「白鳥の湖」といえば、白鳥の羽の動きをイメージさせるアームスの動き。

これをマスターするために、「白鳥の湖」や「瀕死の白鳥」では、プリマが苦労して身につけるわけですが、手先が変にヒラヒラしているものも多く、バレエ嫌いの人って、この辺についていけないのではないかなと思います。

 

なんとアダム・クーパーのアームス、綺麗です。肩から肘までの筋肉が美しく波打ちます。もしや、「瀕死の白鳥」のマヤ・プリセツカヤとタメを張っているかも?

 

ここのアームスに限らず、程良い筋肉質のボディに、目が釘付け。

特に片手を振り上げて、下ろすと同時に、深くプリエするポーズが好きです。

 

白鳥には羽があるけど、手はないから

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Capture:Swan Lake - Pas De Deux (Cooper & Ambler)


王子と白鳥が踊るパドドゥ。揺れる感情が伝わってきてドキドキ。お互いの心が近づいてきて、白鳥はついに王子に接触します。

 

王子の胸に顔を擦り付ける白鳥にドッキリ、ビックリ。

考えてみれば、白鳥に羽はあっても手がないから、

人間のように第一段階は、手をつなぐとか、手で相手の頬に触れるとかないわけね。

猫とか犬とかも、顔を擦り付けてくるし。

 

同じ言語(鳴き声)を持たない場合は、分かりやすい直接的な感情表現。

人間は表現する手段が多くあり過ぎて、逆に迷い表現出来なくなっているのかも。

 

ゾクゾクする官能的なシーンではあるけれど、違和感はなく、人を好きになって、初めて相手に触れた時の高ぶる感情を思い出させてくれます。

 


Swan Lake - Pas De Deux (Cooper & Ambler)